短編
□だって今日は
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朝、君に会いに行くときの服を三時間かけて悩んだって言ったら
君はちょっと目を丸くして、
憎まれ口を叩きながら
ボソッとその服を褒めてくれるだろう
「・・・まあ、似合ってるんじゃねーか」
「え?何? ワン モア プリーズ!!」
「言うか!!」
昼、たわいのない話でもしながら街を歩くとき
君はタバコも吸わないで
馬鹿にしながら、どつきながらも私の話を聞いてくれるだろう
「いいか! 十代目の素晴らしさはな・・・」
「(沢田くんのことになると止まらないけど;)」
「それでな、このときも十代目は・・・」
「はあ、そうなんだ・・・;」
夕方、照れながら自分なりに一生懸命選んだものをプレゼントすると
君は照れくさそうにそっぽ向きながら受け取ってくれるだろう
「・・・さんきゅ」
「どーいたしまして!!
私もありがとう!!」
「は? 何が?」
「私が言いたかっただけ」
今日は一日君と居たい
君の存在をかみしめて
君がいることにどれだけ私が救われているか
精一杯の感謝を伝えたい
「誕生日おめでとう!」
だって、今日はあなたに誕生日!!
今日も一日君と居たい!!
あとがき