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□ねぇ、聞こえますか?
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あのね、獄寺くんに伝えたいことがあるんだ。



ねぇ、聞こえますか?



いつもは照れくさくていえない言葉。
でも、たまには伝えなくちゃいけない。
だって、オレは獄寺くんのことが好きだから。
オレにとっての特別は"君"だけなんだよ。



「獄寺くん。」

「なんですか、10代目?」

「オレさ、君に伝えたいことがあるんだ。」

「まっ…まさか、オレと別れて山本と…。」

「そんなことないよ。オレが好きなのは、獄寺くん、ただ1人。だから、聞いてもらえる?」



オレの言葉に、少し不安そうな顔をしながらも笑ってくれる。
その横顔がとても綺麗で。
あぁ、好きだって感じるんだ。



「いつも、ありがとう。」



言おうって思うと、緊張する。
だって、感謝の気持ちなんて照れくさいから。
だけど、伝えるんだ。
気持ちは言葉にしないと分からないから。



「10代目…!オレこそ、いつもありがとうございます。」



オレの言葉に、獄寺君は嬉しそうにはにかんで。
そして、感謝の気持ちを言葉にしてくれた。
それがすごく嬉しくて。
笑顔になる。
ありがとう、獄寺くん。
ねぇ、聞こえる?
いつもは口にしないけど、心の中ではいつも感謝してるんだよ。



end


2011.11.19
 

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