新・記念小説

□26万ヒット記念
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『ユノ…相談があるんだけど…』


寮長という役も手伝って元々面倒見のいいユノはこうして相談を受ける事は多々あった


寮長は1人部屋でゆっくりと相談するにはもってこいの場所


談話室でうっかり相談なんてすると翌日には学年中の奴等が内容を知っている…なんてこの学園ではよくある事


だから本当に悩んでいる時はユノの部屋のドアをノックするようになった

その中にはユノ目当ての横縞な考えを持つ奴等も少なくはない…って事はユノは知らない…


今目の前にいる奴もその中の一人だ


『ユノ…サンキューな、今度ジュースでも奢るよ』


『いいって、それより何時でも来いよ?話くらいなら聞けるから』


何時ものように相談相手の肩に手を添えて覗き込む


『…』


『?』


『なぁ…俺さぁ溜まってんだよなぁ…ほら相部屋だから抜くにも抜けないし』


『……テジュン?』


『ヤらせてよ』


ソファー代わりに座っていたベッドに両腕を捕まれ押し倒される


『ちょっ…やめろっ、俺は男だっ』


捕まれた腕を振りほどこうともがくが体育会系のガッチリした男には無駄な抵抗で終わる


『いつでも相談のってくれるんだろ?』


『くっ…テジュ…ンっ!!』


首筋にチクリと痛みが走り思わず息を詰まらす


『ユノって…甘いな』


同級生の今まで見たことのない雄の目にユノは恐怖を覚えた



(誰か…誰か助けて…)


頭の上でテジュンに片手で一纏めにされた両手


開いた手でシャツをビリッと破られる


『…ッ!!』


『…なんて面しやがるんだ、誘ってんのか?』


今からされる事の恐怖に若干潤んだ目でテジュンを睨みつける


露になった胸にテジュンの掌が這い胸の先の物を指先で摘まんだ


『ひゃぁっ…』


今まで感じた事のない刺激に思わず声が上がる


『ゴクッ…』


テジュンの舌がユノの胸を這い回る


『やめろっ…テジュン、ッ…やぁっ!!』


ユノは渾身の力を振り絞りテジュンの身体を蹴り一瞬離れたテジュンから離れて自室を飛び出した


消灯時間が近い為に廊下には殆ど人は居なくてユノは、はだけたシャツを両手で止め大浴場へと向かった





入浴時間はとっくに過ぎていたけれど肌の上を這い回る舌の感触が気持ち悪くてユノは服を着たまま浴室へと入った


男子校で全寮制だからそういう風になる奴もいると聞いた事もあったし…実際友人には数名いる


別にそんな事に偏見を持っていなかったからその友人達とも普通に接してきた


まさか自分がその対象になるなんて今の今まで考えても見なかった



『ったく誰だよっ!!』


ガラッと浴室のドアが開き男が入って来た


ユノは立ち上がりジリジリと後ろに下がる


うっすらと見えたシルエットは


ヒチョルだった


『もう入浴時間過ぎてるぞ』


と電気をパチッと付ける

ユノは身体を隠すようにはだけたシャツを両手で強く纏め握りしめた


『会長…』


『チョン・ユンホ…お前っ』


服のまま中に入っているユノを驚いた表情で見て服に目をやった


ボタンは無く所々破れている


明らかに引きちぎられた痕だった


それに見える首筋の赤い痕


ヒチョルは何も言わず浴室から出て行きユノは安堵のため息を吐いた
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