afterschool1

□あれから数年後
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―ある音楽バラエティー番組で





「ホンマかー自分!」
司会のお笑い芸人コンビの浜口さんが言う。
「ホントですよー!ボク高校の時からライブやったらファンの女の子いっぱい来てくれたんだからー!」
少しむくれた様子で浜口さんに言うのは今や人気急上昇中のロックバンドのボーカル、彩木嵐士。
「まあまあ、ほな、証人呼んでるから証言してもらおやないか。」
すると、ボケ担当の松木さんが言い
「じゃ、証人さんどうぞー!」



すると、そこへ登場したのは―
「大樹!あ、碧もっ!」
「えー、陸上高跳びの小早川大樹さんと、デザイナーの芹沢碧さんですー!」
今や日本を代表する陸上選手の小早川くんと、世界的ブランド「セリザワ」のデザイナーとして活躍中の芹沢くんが登場した。



「で、ホンマですのん?彩木くんが高校の時大人気やったって?」
浜口さんが二人に訊ねる。
「…はい。本当です。」言葉少なく小早川くんが答える。
「僕は転校してきたんですけど、その頃には彩木くんは女子に大人気でしたよ。」
芹沢くんが笑顔で答えた。



「ほらねっ!嘘じゃないでしょっ!」
彩木くんが答えた。
「しかし全員…何?高校の同級生なわけ?」
「いやーすごいメンツやなあー!オリンピック選手に世界的ブランドのデザイナーやて!」
「彩木くん!君、いっちゃんショボいでー!」
そして、次々彩木くんに突っ込むお笑い芸人コンビの司会者。



「もうー!見ててよっ!ボクだってその内世界的ミュージシャンになるんだからねっ!」
「…彩木なら、なれるだろう。」
そんな彩木くんを見て小早川くんがボソッと言いました。













「スゴいねー!彩木くんも、小早川くんも芹沢くんも。」
テレビを見ながら野々原くんが言いました。
「だな、大活躍じゃん!」
姫川くんがニカッと笑って答えます。
「でも姫川くんもすごいよ。」
「そうだな、小さいとはいえ、自分で店を持つとはなかなかチビもやるじゃないか。」
「うるせーメガネ!チビは余計だっつーの!」
「これでも誉めてやってるつもりなんだが。」
「だーっ!てめー偉そうなんだよっ!」
「もー!二人とも静かにしようよー!」
野々原くんが注意すると、二人ともピタッと言い争いを止めました…
(またみぞおちにパンチ食らわされちゃたまんねーからな…)
(…柔和そうに見せかけて、恐るべし野々原…)



「よ!遅くなってゴメンね〜。」
「あ、深國く〜ん。」
「おせーよ!あいつらの出番終わっちまったぞ…っておいっ!」
「久しぶり〜ハルカっ!」
「…久しぶりだな。」
「あーお腹すいた。」



「わー!さっきまでテレビで見てたのに何で?」
「あはっ!あれは録画なんだよっ!陸。」
「さっき、急に深國から電話があったんだ。みんな集まるから来ないかって。」
「日本にたまたまいて、良かったよ。」



「でもみんな活躍しててすごいね!」
「野々原だって真面目に公務員やってるだろ。」
「うーん、でも小早川くんみたいに活躍してるわけじゃないしね…」
「まあまあ、ののちゃんも夢叶えたわけじゃ〜ん?」
深國くんが野々原くんの頭をよしよしと撫でた。
「えへへっ、まあね。深國くんも翻訳家としてすごいよね?」
「まあね〜?でも何といってもメガネくんでしょ〜?」
「そういえば小早川、大澤先生からテレビ見るぞと伝言預かってるぞ。」
「…すまない、緒方。」


「あー!芹沢くん僕の食べないでよおー!」
「あー分かった陸!また作ってやるから待ってろって!」
「わーい!姫川くんありがとう!」






あれから数年後―
2年C組のみんなはそれぞれ夢を叶えたようです。














fin
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