拍手ありがとうございます。
今回は確かに恋だった様からお借りしたお題にそって、これから6回にかけてちょっとした続き物のお話を書こうと思います。
相変わらずの駄文ですが、感謝の気持ちは沢山こめていますので読んでいただけたら嬉しいです。


キューピッドは語る5題
(第3者視点で)

1.いい加減くっつけ



ぽかぽか日和。
まさにそんな言葉がぴったりな昼下がり。

「日番谷くん。今晩お部屋行っても良い?」

周りが聴けばなんて大胆な発言なの?!と思ってしまう様な言葉も、今向かい側のソファーに隊長と並んで座っている五番隊副隊長の雛森桃にとっては極自然に言えてしまう。
それだけ雛森はこういう事には鈍感で天然で、それはそれは是非うちの嫁にしたいぐらい可愛い娘なのだ。

「…あの本ならわざわざ毎日俺の部屋に来なくても貸すっつってんだろ?」

そんな可愛い雛森にぞっこんなのがこのいかにも生意気です的雰囲気を醸し出している我が十番隊隊長の日番谷冬獅郎だ。

二人は幼い頃からずっと一緒に育った、つまりは幼馴染の関係。
昔からずーっと一緒で、おそらくお互いにとって最も近い存在であると言える。
けどそんな近い関係だからこそ越えられない壁もある訳で、隊長は長年ずっとずっとずーっとひたすら片思いをしている。
それを自身もよーく身に染みるほど理解しているのか、今の隊長からはどことなく哀愁のオーラが漂っている。

「でも…あのね、日番谷くんとゆっくりお話もしたいし…。迷惑かな?」

でも、それは隊長がただそう思っているだけであって、傍から見れば二人は両思いである様に見える。
っていうかそうなのよ!
つまりは自分の色恋沙汰に超が付く程鈍感な当の本人たちだけが自分は片思いだと思い込んじゃってるから未だに幼馴染の枠から出ることが出来ないのよねぇ。
実際今も雛森は一生懸命隊長と一緒に居たいんだって事を必死に雛森なりに伝えているわけで。

「おまっ!…何言ってんだ。明日の昼にでも貸してやるから」

でもあまりにも長い片思いの結果、雛森のそんな発言も自分の良い様に考えると後で落ち込むだけだと思っちゃってるのか、雛森の努力にも気づかずにただただ可愛さに面白い程あたふたしちゃってる訳で。
隊長をからかうのを一種の娯楽としてるあたしにとってその光景はかなり楽しいもんなんだけど、二人の思いがあまりにも交わらないから最近はちょっと見てられないのよねぇ。
歯痒いったらありゃしない。
っていうか無意識の内にいちゃついてる二人を見てるとちょーっとしたイライラというか、ハラハラというかこう…ムカムカ?とにかくこっちの身が持たない訳で。

「ったく…今日は多分夕方には部屋に戻れるはずだから」

とうとう隊長の方が負けたのか、はぁ…と大きな溜息をつきながらそんな言葉を吐き出している隊長と嬉しそうににっこりと微笑んでる雛森。

やっぱりここはあたしが一肌脱ぐしかないのかしらねぇ。
本来これは当人同士の問題だし周りが下手な手出しとかしない方が良いんだけど…。
これ以上無意識の内に執務室でいちゃつかれたり、明らかに両思いなのに気づかない二人にこっちがやきもきしたりするのも…ねぇ?

「あたし今日早く終わるから日番谷くんの好きな卵焼き焼いて待ってるね」

思わず抱きつきたくなるほど可愛い特上の笑顔で隣の隊長の顔を覗き込む雛森と、いつもの冷静さが全く感じられないほど真っ赤になってる隊長を見ながら軽く息を吐き出す。

よしっ。
いっちょやっちゃいますか!

あたしがキューピッドやるんだから
いい加減さっさとくっつきなさいよ!

密かに二人をくっつける算段を立てながら二人の楽しそうな話し声に耳を傾けた。





FIN.


*あとがきという名の懺悔*

ここまで読んでくださってありがとうございます。
この続きも本来は一緒に更新したかったのですが、ちょっと手直ししたいところがありまして、それが終わり次第載せたいと思います。
取り敢えず今回はここまでで…。
それにしても相変わらずの駄文で申し訳ないです。
よくよく考えたら乱菊さん視点から書くのって初めてかもしれません。いつも雛森か日番谷くん視点からだった気がするし。
だからちょっと新鮮な気分だったりしたのですが、でも逆に乱菊さんってこんなキャラでOK?私壊してない?と怖かったり;
ではでは、このお題は確かに恋だった様からお借りした物なので勝手に再配布等はおやめください。
では、拍手本当にありがとうございました!

管理人*RIN
08.11.17

material by 空に咲く花


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