パラレル

□第四話 理由
3ページ/7ページ




「レイン…綺麗だね」



ブライトは川原に座り川の流れを見ながら呟いた


美しい髪髪が良く揺れる



「……っ」


レインは耐えかねたかのようにしゃくり声を上げ始める




「何で…優しくするんですか?」


「…君が優しい子だからだよ」


「嘘…つかないでくださいっ」



レインはキッとブライトに向き直り、瞳を涙で埋め尽くしながら首を振る




「私はっ…ひどいっ」


「違うよ君は優しい子だ」


「嘘です!そんなの嘘!私は優しくなんてない!」



レインはその場から立ち上がりブライトを見下ろした

頬からは涙が溢れている

草がほんの少しまった

初めて…この世界に来て…声を荒げた



「私は…ファインにひどいことをさせてる」



どうして



「お姉さんなのに」



何故



「ファインに戦わせてる…」




私たちなの



「そして…心のどこかで安心してるんです」



幸せだった



「私…ファインじゃなくて良かったって」



楽しかった


レインは目を見開いて自称気味に口の端を上げて言葉を続けた




「あんな風に戦わなくていい…強くなくていい…」



何故皆邪魔するの



レインは頭へと手を回す




「私は…自分がよければいいんです」




何で普通でいさせてくれないの




「…こんなっ最低っいやっ何で」



「…レイン」




ブライトはゆっくりと立ち上がり、レインの肩に手を回して自身へと引き寄せた



「君は…ひどくなんてない」



「…ちがっ」



「…つらかったね、もういいんだよ」



レインは違うち何度か呟いて

ゆっくりとブライトの背中へと手を回しそして


思いを




「どうしてっ」


涙がブライトのブーツへと落ちた



「私たちが何したって言うの!?」



声が少しずつかすれていく



「私達の幸せを壊す権利が誰にあるの!?」



溢れる



「どうしてっどうして」



とまらない




「どうして普通でいさせてくれないのよぉ!!!」




苦しい




「ファインが何したって言うの!?



なんで戦うの?



あの子がっなんで武器なんて持たなきゃいけないのよぉ!!」




いや





「お父さんにも会いたい


お母さんにも会いたい」




もういや




「帰りたい」






「帰りたいの!」



「…レイン」



ブライトはもう片方の手でレインを包み込んだ


レインは一度目を見開いて、そして顔をクシャっとゆがめた




「うわああああああっ」



「大丈夫」



「もういやっなくなればいい」



「大丈夫だよ」




「こんな私…いやあっうう」




「大丈夫だ」





「ああぁああああぁあぁっ」





「僕が…傍にいる」



子供のように泣きじゃくるレインをブライトは


ただ


大丈夫だと抱きすくめていた


レインはただひたすら


泣いた



ファインと



自身の運命を呪って



**
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ