パラレル

□第四話 理由
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「騙していたわけではないんだよ、ただ君たちと普通に旅がしたくて…」


「お金をいっぱい持ってたのは、そのせいなのね?」


「あぁ、君たちは聞かないでくれたね」



ひとまず四人はファインが飛び出したのとは別の部屋に通された


ひとりの兵士が監視のためか入り口に立っている



「気になさらないでください、私は…ブライト様は正しいと思います」


「ありがとう…レイン」



ブライトがレインに微笑みかける

なんだか少し距離が近くなったかのようだ



「それで、ブライト…何故大宮をと突然飛び出したんだ?」


「王宮のもの達は皆自身のことで頭がいっぱいでね

国民のことを考えて行動しなかったんだよ

悪循環でね…国民達はどんどん闇の心に侵食されて


しまいにはっソリテアに入団するものまで」


ブライトは手を組んで底に口を当て、眉間にしわを寄せる



「宝石の国までかっ」


シェイドも同じように瞳をゆがめた



「ソリテアっ…て何ですか?」


「…闇の心の侵食に賛成側の人間が集まった宗教集団だよ」


ブライトは苦笑して説明する



「どうしてっそんな事を…おかしいよ!」



ファインの怒った表情を見て、シェイドが呟いた



「皆…ファイン達のようだったらな…」


「でも、そんな事言ってられないんだ」



「ソリテアが増えているんですか?」


「君の言うとおりだ」


ブライトは苦笑しながら、旅用のマフラーを緩める



「ひとまず、今日はボクの守衛達に宿を守らせる…安心してくれ」



「ブライトはこれからどうするの?」


「…国の皆に納得してもらって、旅を続けるよ」


レインはブライトのマフラーをたたんで、眉間にしわを寄せている


--二人にした方がいいかな?



「ブライト、私ちょっと外の空気吸ってくるね」


「あぁっ大丈夫かい?」


--大丈夫だよ

ファインは微笑み外へ出る扉に手をかける



「ブライト…ごめんね」


「え?」


「守衛さんに、ケガを…」


ブライトは瞳を大きくし、すぐに微笑んだ



「大丈夫だよ、皆…きみに謝りたいといってるほどだ」



「……ありが、とう」





ファインは扉を閉ざした、腰には刀を納めたまま





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