オリジナル
□瞳の先
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苦しい
息が、つまりそう・・・。
悲しさと・・。
つらさと・・・・。
全部が入り混じった気持ちを・・・。
なんて呼ぶの?
●瞳の先●
「♪ふっふふんっらっららん♪」
スキップをしながら、校庭を歩いているのはカノンだった。
髪を止めた赤いリボンが、上下にゆれる。
そのたびに、カノンの気持ちは高揚するようだった。
「おい。」
「はーい♪」
ノリノリのカノンは、相手を確かめることなく振り返る。
「ファインが、どこにいるか知らないか?」
二人の少年だった・・・。
一人は、金髪ががかった髪の毛・・・。
おそらくブライトだろう・・。
モウ一人は・・・。
「シェイドッサマ!」
カノンは、口元を手で抑える。
下にうつむいてはにかんだように答える。
「いいえっ見ていませんわ・・・。」
「そうか・・・・。」
「どうしてですか?」
今度は、上目ずかいでシェイドを見る。
その、視線にシェイドは全く気が付いていないらしい・・。
そのまま、考え込んでいるようだった。
「いや・・・・。」
「手紙のことですか?」
ポロリと口から言葉が出る。
言ってはいけないことだった・・・。
ファインを抑えるためKTSをしたことがばれてしまう・・。
「手紙・・・?」
「どうゆうことだい?カノン・・・。」
シェイドとブライトの眉間にしわがよる。
「・・・・・・・・・・・っ」
目を逸らしてごまかそうとした次の瞬間だった。
肩に鋭い痛みが走った。
シェイドが、かなりの力で腕を締め付けている。
「いっ!!」
「・・・・・・をした」
怒りで手が震えている・・・。
イヤ
肩のにかかる腕の力は、強まる一方だった。
ドウシテ
「あいつに何をした!!」
「やめろ!シェイドッ落ち着け!」
ブライトが、シェイドの腕につかみかかる。
カノンと引き離そうとするが、上手くいかない・・。
「はなせっ!貴様!ファインをどこにやった!」
「落ち着け!シェイドッ相手は女性だ!」
ブライトは、ようやくカノンと引き離すとシェイドをいさめにかかる。
ドウシテ
肩に、鈍い痛みが残る・・・。
ズキズキとまるで・・・。
「心が・・。えぐられるみたい・・・。」
腕を押さえながら、カノンは言う・・。
ほんのり、涙をこぼして・・・。
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