パラレル
□第四話 理由
1ページ/7ページ
空は青い
手を伸ばせば届く距離にある
そう見えるだけ
本当は空は遠くて
手はきっと届かない
幻想
でもそんな幻想を見ていること自体が素晴らしいね
*理由*
「ここは…?」
「しずくの国、水が豊富なと土地だ」
「じゃあ、お風呂と洗濯が出来るわね」
レインは嬉しそうに微笑んで、汗もいっぱいかいたものねと言った
「そうだね、ブライト…その残金」
「大丈夫だよ、まだ余裕がある」
私たちの旅の資金はブライト、そしておもに悪いやからを捕まえて調達するお金から成り立っていた
ブライトが何故そこまでお金持ちなのかは知らない
でも
聞かないでほしい、そんなオーラが出ているので聞かなかった
「じゃあ、とりあえず宿を探して…その後は探索?」
レインが三人に目配せをする
皆了承したようなので、安い宿を二部屋借りて荷物を置くことにした
「……」
「ファイン…どうした?」
「…ごめん、探索私行かないでもいいかな?」
「どうしたの?」
レインがファインを覗くとファインが額に手を当てて
少し熱っぽい、と言った
「…一人で大丈夫かい?僕も部屋で待機しようか?」
「ううん、大丈夫。皆で行ってきて」
「そうかい?」
ブライトは心配そうな顔をしつつ、扉へと手をかけ
何かおいしそうな物があったら買ってくるよ、といった
レイン最後まで一緒にいると粘ったけれど、何かあった時にシェイド達といた方がいいと言い聞かせ出て行ってもらった
シェイドは最後まで部屋に残り、紙袋の中から丸薬を取り出しファインに手渡す
「飲んでおけ、あとゆっくり眠るんだぞ」
「うん、ありがとう」
この薬眠くなる?と聞いておく
シェイドは首を振って、すこし目を細めて
「…ゆっくり休めよ」
そう言って出て行った
**