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□君の未来
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*君の未来*
「……シェイド」
「何だ?」
「何だじゃないでしょっなんだじゃ!」
ファインはシェイドの部屋で大声を上げていた
一国のプリンセスがとる行動ではない
「プリンセスがそのような行動を撮るものではありませんよ?」
「なっななななな」
「な?とは。連続させると何か意味が?」
ファインは顔を真っ赤に染めると、シェイドの頬を軽くはたいた
「誤魔化さないでっ」
「痛いぞ」
「うそ付かないでよ。痛くないくせに」
ファインは、僅かに瞳から涙を流す
「どうして、かばったりしたの」
「どうしてって、理由がいるか?」
シェイドの腕には包帯がぐるぐると、巻きつけられていた
ファインが先ほど、城内の池に(はしゃいぎすぎて)落ちそうになったのをシェイドがかばったときにできた傷だ
池の石に打ちつけたのだろう、ひどく腫れていた
「シェイドは、月の国の王子だよ」
「……あなたも、プリンセスでは?」
「ふざけないでっ」
「ふざけてなんて、いない」
ファインの頬にシェイドが触れる
「お前を守れるなら、こんなの安いもんだ」
「……っ」
「泣き虫ですね……お日様の国のプリンセスは」
「うううっ」
「ファイン」
「ふえええええええっ」
「そんなに泣くな、庇った意味がない」
「だったってええええええ」
シェイドは苦笑しながら、ファインの髪を撫でた
「本当、仕方のないやつだなぁ」
だから、目が離せないと小さくつぶやく
君はこんなにも危なっかしい
俺がいなきゃ本当にだめだ
君の未来には
俺がいなくちゃ
*コメント*
短っ!って思った方ごめんなさい。
なんか、こんな雰囲気の小説が書きたかったんです
いつもの日常の二人を切り取った感じの小説が
ちなみに、ファインはこの後シェイドの包帯を変えに頻繁にシェイドの部屋に通うようになります