□優しい人
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「あっあれ?」



*優しい人*


ファインは思わず立ち止まった

そして、左右を見渡す

側にいたはずの、レインとプーモが


「いない?」


声に出して、はっとする

今日は、宝石の国のお祭りに来ていた

道には屋台が沢山出ていて、人も多い

沢山の話し声も聞こえてきた

一度はぐれたら、みつからないかもと話したばかりだったのにっ


「レイーン!プーモッ」


叫びながら必死に走る

どうしよう、二人とも絶対心配してる


「レイーン!」


不安に狩られながら、必死に走り回る

知っている国なのに、屋台のせいでいまいち道の仕組みが分からない


「プーモッ」


気が付くと、あまり人通りがない所に出てしまった

どうしよう

戻らなきゃっ


「お穣さんどうしたの?」

「…え?」


声をかけて振り返る、民間人の格好をした男が立っていた

さわやかな笑顔だ


「ここらへんは、危ない人が多いんだ。一人できちゃいけないよ」


少し、眉間にしわを寄せてファインに近寄る


「危ないから、送っていこう」

「ありがとうございます」


悪い人ではなさそうだ、丁寧にお礼をいって、男についていく事にする


「危険な人が多いところから、離れるから。少し、遠回りするよ」

「あ、はいっ」


親切な人だ

そう思って、笑顔で返す



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