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□今年も君を望む
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春はどことなく優しくて切ない
人の心を繋ぎとめるものはない
絆とか想いだとかそんな簡単な言葉で表せないもので繋がりたい
だから
*今年も君を望む*
「春だねっ」
「春ね」
ファインとレインは学校へと足を運びながら二人で微笑みあっていた
温かな風と淡い花の匂いが二人の髪をくすぐる
「春の温度って素敵よね」
「春は美味しいものも沢山あるもんね!」
「…ファイン」
「桜餅でしょお団子でしょっ「花より団子」
突然、ファインの頭に誰かの手が触れる
ファインはそれを予測していたかのようにくるっと振り向いて微笑んだ
「シェイド!」
「おまえにぴったりな言葉だな」
「なにそれっ」
シェイドの言葉を聴いてファインは頬を膨らませる
そのまま反対方向をむいてプリプリしている
「素直じゃないよね」
「ブライト様つ」
レインもいつの間にかそばに立っていたブライトに驚くそぶりは見せず、そのまま微笑みかえす
「おはようございます」
「おはよう」
「シェイドの事だからファインに会うために急いで寮を出たんでしょう?」
「その通り」
ブライトは口元に手を当てて軽く微笑む
レインもブライトを見ながら微笑んだ
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