テイルズBL小説

□お気に入りの場所
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この船の甲板が俺のお気に入り。
遠くを見渡せて、昼寝するのにも最適なあの場所。
最近は船員が増え、仕事も増えたからあまり来られなかった。
今日は依頼がない。
みんなも街に行ったり、修行で出ている。俺も久しぶりにココでのんびりしよう。

カモメが飛ぶ青い空。
日差しも丁度良く、絶好の日向ぼっこ日和。
ゴロリと寝転がり、波の音を聞きながら俺はゆっくりと瞳を閉じた。







「リッド」

「…ん?」

空より深い青の髪。
見慣れたそいつは、俺の顔を覗き込んで影を作る。

「何だ?」
「いや、レポートが終わったからお前を探してたんだ」
「俺?」
「せっかくの休みだからな」

いつも見せる自信満々な笑みじゃなく、自然な優しい笑顔のキールに、何だか俺も嬉しくなった。
キールは俺の近くに座って、持ってきた分厚い本を開く。
静かな時間。
会話はないが、それでも俺は幸せで。
ゆっくり伸ばした俺の手を、キールはしっかり握ってくれた。

「キール」
「何だ?」
「少し寝るわ」
「あぁ…」
「おやすみ」
「おやすみ…」






繋がれた手は、太陽の様に温かくて。
俺はすぐに眠りについた。












静かな二人の時間



「見て見て♪」

「二人とも寝てますね」

「手なんか繋いじゃって」

「ラブラブですね〜v」



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