テイルズBL小説
□ご褒美
1ページ/2ページ
ガレットの仕事が立て込んでいる。
その為、バンエルティア号はずっとガレットに停まっていた。
「パニール出来たか?」
「ぁ、ルークさん。今出来ましたよ」
小さな釜と茶碗、レンゲ、お水の乗ったお盆をルークに渡す。
「熱いので気を付けて下さいね」
「分かってるよ」
ガレットに長く停まっていたせいか、アッシュが風邪を引いたのだ。
他にもキールやアーチェなど数人が風邪で寝込んでいる。
ヴェイグ達ガレット育ちや、ウッドロウやジェイドの様に雪国で育ったらしい人たちはかなり元気だ。
早く仕事を終わらせて、こんな寒い所から抜け出したいのが本音だ。
「アッシュ、入るぞ」
中に入れば、眉間に皺を寄せ眠っているアッシュが目に入る。
しかし、いつも強く睨み付ける瞳は固く閉ざされ、辛いのだと訴えられているようだ。
「アッシュ」
「…ん…」
翠色が俺を捕らえた途端、鋭く睨み付けてくる。
「何だ…っ」
「飯持ってきたんだよ。さっさと食って薬飲まねぇと」
「要らん…」
「駄目だ、ちゃんと食べろ!」
「要らんと言って居るだろ!」
プチッ
「喰わねぇと口移しで喰わすぞ」
「粥を寄越せ屑」
「熱いから気を付けろよ♪」