テイルズBL小説

□銀色
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あの長い髪が綺麗だと思った。
雪のようにキラキラした銀色の髪。
触ったら冷たいのかな?
触り心地はどうなんだろう?

触りたい…




「…」
「…」
「…」
「…何だ?」

ヴェイグを見つめる視線。
それは後ろに居るロイドのものだ。
ロイドは席が開いているにも関わらず、ずっとヴェイグの後ろに居る。

「…俺の背中に何かついてるのか?」
「いや…髪がさ…」

髪?
三つ編みを取って見てみる。
特に変わった所はない。

「ヴェイグの髪って綺麗だよな…」
「そうか?」
「日に当たるとキラキラしてて、白くて雪みたいでさ…」

そんな事を言われたのは初めてで、ヴェイグは何だか恥ずかしくなった。
自分で伸ばしたくて伸ばしたわけじゃないし、自分の髪を気遣った事もない。
切るのが面倒で、そのままにしていたら伸びてしまって、切るタイミングを逃しずるずると伸びてしまった。
結んでいれば邪魔にならないから良いかと、未だに切っていないし、切る予定もない。
洗うのは少し面倒だったりするが。

「なぁ、触っても良いか?」
「構わない」
「へへ、ありがと」

三つ編みの先を梳き、感触を確かめているロイド。
それは想像していたよりサラサラと触り心地が良く、思っていた通り柔らかい。

「やっぱり冷たくないな…」
「?」
「雪みたいだったから…冷たいのかなって思って」

そんなわけがない事は分かっているのに、ヴェイグの髪があまりにも白く綺麗だったから…。

「長いな…」

形を確かめるように三つ編みの表面を撫でる。

「切った方が良いか?」
「駄目だ!」

雪のようにキラキラした銀色の髪。
柔らかかった綺麗な髪。

「俺、好きだぜ、ヴェイグの髪!」
「…!」

真っ直ぐなその言葉に…

「そぅ…か…」

ドキドキした。





キラキラ

「いつまで触ってるんだ…」

「もうちょっと」




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