テイルズBL小説
□kiss
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そういえば、あんまり俺達キスしないな…
そう思ったのはチェスターとクレスのキス現場を目撃したからだ。
キスするのは専らアレしてる時だけ。(たまにしない時すらあるが)
好き合っていたらやっぱりするものなんだろうが、俺達はあまりしない。
何か恥ずかしいんだよな…。
改まって、正面向いて、目合わせて。
「(ヤってる時の方が恥ずかしくないってどんな感覚だ…)」
完全に思考が麻痺している。
他から言わせれば、俺がおかしいんだろう。
「(アイツはしたいのか?)」
アイツからして来ないんだから、アイツも同じなんだろう。
廊下の角を曲がると、今度はユーリとガイのキス現場。
部屋でしろよと言いたい所だが、待ちきれないという気持ちは分からないでもない。
ハードな戦闘の後は特にキツイ。
船に帰るとすぐにアイツを探してしまうくらいに。
「(キスしたくなってきた…かも…)」
思い立ったら行動あるのみ!
キールは今日部屋にいたはずだ。
「キール」
キールは椅子に座り、いつもの分厚い本を読んでいた。
いつもと言ってもキールが持っている本全部が同じに見えるから、もしかしたら違うのかもしれない。
その本を読みながら時折何か書き込んでいる所を見ると、俺の声は聞こえて居ないようだ。
「おい、キール」
「ん?あぁ…リッドか」
それだけ言うと、また本に目を向けてしまった。
別に話しをするという訳でもない。
キス出来りゃそれで良いんだ。
キールの背後に立ち、青色の俺とは正反対の髪を見る。
あまり手入れのされていないそれは、所々あちこちに跳ねている。