テイルズBL小説
□一度は着せたいアレ
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「ユーリ…」
「何だ?」
「いろいろ聞きたい事があるんだが、まずは何で俺の服を脱がそうとしているのかを教えてもらおうか?」
ドアに背中を向けて機械を弄っていた所、出掛けていたユーリが帰ってきた。
そして後ろから抱き付いたと思えば、ベストのボタンを外され現在に至る。
「いや、良い物買ってきたから」
「ユーリが買って来る物は、ロクな物じゃないから嫌だ」
腕から逃れようともがくが、相手もなかなか引いてくれない。
しばらく格闘していれば、ベストは脱がされたがインナーは無事だ。
ユーリと距離を取り睨んでやれば、ユーリの脇には大きめの袋。
「…何買って来たんだ?」
「ん?あぁ、コレ」
バサッ
黒地に白いヒラヒラ
…………メイド服?
「お前、そんな趣味あったのかよ!」
「だってお前ってメイドって感じするじゃねぇか?」
「確かにルークの使用人ではあるが、俺は男だ!!」
「俺だって男だ。好きな奴に着せてみたいと思って何が悪い?」
「何開き直ってるんだ、お前は!!しかもスカートの後ろのそれ!」
『それ』って何かって?
何かふさふさした黒くて長い物が見えるんだよ!
「ネコミミ…良いよな」
「良くない!!!」
ちゃんとカチューシャがあるんですね、お前の準備の良さに俺は泣きたくなるよ。
「コレも男のロマンってヤツだ!だからガイ、頼んだ!」
「頼まれても着なよ!それにそのロマンは女の子に向けるべきだろうが!」
じりじりと間合いを取っていると、狭い部屋ではすぐに壁へと追い詰められてしまった。
ユーリがメイド服+αを持ち、俺に影を落とす。
「何で俺なんだよ…エステルとか可愛い子この船にはいっぱい居るだろ?」
男の俺が着ても可愛くも何ともないのに。
「俺は、ガイだから着てもらいたいんだよ」
「…」
「好きな奴に着せたいだろ?」
コイツ…ズルいだろ
そんな事言われたら…
「…に…」
「゙に゙?」
「二度目はあると思うなよ!」
結局恋人には弱い
「…」
「…笑いたければ笑ってくれ…」
「…いただきます」
「はッ?!ちょっ…ァッ…!」