テイルズBL小説

□嫉妬
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チェスターが来て数日。
ココにも大分慣れたみたいで、最近では良く仲間とクエストに出掛けたりしている。
それを僕は、嬉しい反面寂しいと思っていたりする。
その一番の原因が…



「リッド、今日も狩りに行かねぇか?」
「良いぜ、丁度俺も誘おうと思ってた所だったしな」

これだ。
猟師同士だと言う事で、意気投合した二人は良く狩りに出掛けてしまう。
勿論仕事があればそちらを優先するが、何も無い日はほぼ毎日…。
僕だって久し振りに会えた友人…いや、恋人とはなるべく一緒に居たいと思う。
それは当たり前では無いだろうか。

「はぁ…」

まぁ、結局それをハッキリ言えない自分が全て悪いのだろう。
チェスターは優しい…だから、僕が一緒に居たいと望めばきっと叶えてくれる。
分かっているのに、この口は言葉を発してくれない。
心はこんなに焦がれているのに。

「…」

「…クレス?」
「?」

顔を上げれば、スタンが心配そうに僕を見ていた。

「どうしたんだ?元気ないみたいだけど?」
「ぁ…何でもないよ」

何とも情けない笑顔を貼り付ける。

「ん〜…、そうだ!」
「?」
「身体を動かせば、少しはスッキリするかもしれないよ」













「やっぱりクレスは強いな」
「スタンだって、腕を上げてるじゃないか」

あの後スタンに誘われて剣の稽古。
手合わせをしている間、チェスターの事も忘れ、そしてスタンの言ったように何だか頭の中がスッキリした気がする。

「ありがとう、気を使わせてしまって」
「気にするなって。コレくらいの事しか俺には出来ないからさ」

僕はもう一度礼を言うと、二人で船へと戻った。





部屋へと戻れば、チェスターが狩りから帰ってきていて、「お帰り、早かったんだね」と声を掛ければ、何故か不機嫌な顔を一度見せ、顔を反らされてしまった。
彼が何故機嫌が良くないかなんて僕にはさっぱり分からなくて、チェスターの隣へ移動する。

「…チェスター?」

眉間にシワを寄せ、怒っているような、悲しんでいるような表情を浮かべていた。

「どうしたんだ?何かあった?」
「…別に…」

それだけ言うと、彼は逃げるように扉へと歩いていく。
僕は咄嗟にチェスターの腕を掴んだ。

「…っ」
「何で逃げるの…?」
「別に、逃げてなんて…」
「じゃ、どうして僕の顔を見ようとしないんだ?」
「…」

チェスターは黙ったまま俯いてしまった。

「何も言ってくれないの…?僕の事嫌いになった?」
「っ…、そんなんじゃねぇ!」
「じゃ、話してよ!?」

真っ直ぐにチェスターの瞳を見詰める。

「…さっき」
「さっき?」
「スタンと居ただろ?」

どうやら手合わせの事を言っているようだ。

「アイツと一緒に笑ってるお前を見てたら…無性に苛々しちまっただけだ…」

少し顔を赤くし、再び俯いてしまった。
僕はチェスターの言葉がきちんと理解出来なくて、何度も頭の中で繰り返す。
そして、漸く頭が理解をすれば、今度は僕が顔を赤くする番。

「ぁ…ぇ…?」
「わ…笑いたければ笑えば良いだろ?!」

二人揃って顔を真っ赤にして…

「「ぷっ…」」

暫くの沈黙のあと、

「「ハハハ!!」」

二人で笑った。

「ハハハ…そっか、チェスターもヤキモチ妬くんだ」
「そりゃ、好きな奴が誰かと仲良くしてたら妬くだろ?」
「そうだね、…僕も妬いてたんだ、チェスターとリッドの仲に」
「へ?」
「いつも二人で仲良く狩りに出掛けて…、寂しくてモヤモヤしてた。そんな僕を励まそうと、スタンが手合わせに誘ってくれたんだよ」

ありのままを話せば、「そっか」って笑ってくれて、僕を抱き寄せてくれた。

「コレからは控えるよ、狩り」
「良いの?」
「狩りよりクレスの方が大事だからな」
「…バカ…//」









結局、話せば解決するモノなんです


「チェスター、狩りn」
「わりぃ、今日はパス」

「クレス、手合わs」
「ごめん、また今度ね」


―――――――
似たような内容ばかりでごめんなさいorz;
でも、マイソロ3始めて狩りネタはどうしても書きたいと思ったネタだったんです(>_<;
そしてタイトルの手抜き…;

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