テイルズBL小説

□これって恋?
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自分には愛だの恋だの、一生関係無い事だと思っていた。
それがどうした事か、気になって気になって仕方がない奴が出来てしまったのだ。

そいつは俺が作った甘味を「美味い美味い」と幸せそうな顔してほうばって、「また作ってくれ」と満面の笑顔で言ってくる。
…正直可愛くて仕方ない。



「ユーリ」

クエストから帰ってきたコイツ…リッドはキラキラした目で俺を見つめてきた。
もしコイツに犬の尻尾が付いていたなら、勢い良く左右に揺れていそうだ。

「よぉ、お疲れ」
「ただいま。なぁ、ユーリ…」
「作ってあるって」

一度コイツに、俺が作ったケーキを食べさせた時からだっただろうか。
それ以来毎日俺のところに来ては甘味をねだり、たまにリクエストなんかもするようになった。
俺としても甘い物は好きだし、作る事も嫌いじゃない。
何よりあんなに幸せそうな顔をされてしまったら断る事なんて出来ない。

「あぁ…うめぇ〜…」

花がリッドの回りを包んで居るんじゃないかと言うくらいうっとりしている。
ヤバイ…可愛すぎる…

「明日は何か希望あるか?」
「ん?ん〜…ドーナツとか?」
「了解」

自分の分を頬張りながら材料が切れていないか思い出す。

「(卵…はあったよな?)」
「ユーリ」
「ん?」

呼ばれてリッドを見れば、何やら口の右辺りを指指している。
意味が分からず首を傾げれば、向かいから手が伸び口元に触れる。

「クリーム付いてたぞ?」

何て言いながらそれを舐めとる。

…もうホント、全部無意識だから困るんだ。
口で言えば良いのに何で舐めるかなコイツ?
いや、親切心でやってるんだろうけどさ、とにかくいちいち可愛いんだよ。
こう…今すぐ抱き締めて撫で回してやりたいような…言葉では言い表せないがとにかく愛でてやりたい衝動に駆られる訳だ。







「これって恋なのかね?」
「どちらかと言うと飼い主とペットって感じじゃないかな?」



恋愛感情と親馬鹿愛は紙一重


「ユーリ」
「あぁ、ドーナツ出来てるぞ〜」

「(リッドも完全に餌付けされてるな…)」




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