カカシ×ナルトのお部屋

□残り香(未完)
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「病にかかったとわかった次の日。アイツは私を訪ねてきた…」

『願い…?なんだ』
『…私を……里から追放してください』
『…?!なに言ってんだ!!んなこと…』
『このまま病に侵されて死んでいく私を……ナルトに見せたくないんです』

カカシのいつもとは違う真剣な物言いに綱手は何も言えなくなった。

『アイツの泣き顔を最後に逝くのは…つらすぎる。だから、私をナルトの目の届かない場所へ追放してください』


『はたけカカシ。これが最後の我が儘ですー……』


「……そんな……」

(なんで……そんな……)

「お前の顔が涙に濡れることが、カカシにとって一番つらいことなんだろう。この里から離れたのはカカシの意志なんだよ」

(カカシ先生の意志………?)

「だからもう……アイツのことは忘れろ」

(………………………………無理だってばよ)


『ナルト。よく頑張ったな』
『お前…野菜も食えっていってるでしょ?』
『好きだよ』
『信じてる』
『ずっと傍にいるよ』


「……無理……忘れるなんてできないってば……」

気づけば、涙が床を濡らしていた。
服も涙で濡れてて…
拭うことさえ忘れていた。

「ナルト……」
「ごめん、ばあちゃん……オレ、カカシ先生を忘れるなんて一生できねぇ」

そう言い残して、ナルトは火影室を後にした……





『お前の顔が涙に濡れることが、カカシにとって一番つらいことなんだろう』

(一番つらいこと……か…)

「なんでそう…全部一人で決めちゃうんだってばよ…」

カカシ先生がオレが泣くのがやだってんなら…
いくらでも笑ってやる。
いつもみたいにがはがは笑ってればいいんだろ?
それくらいできるってばよ…
カカシ先生が安心するなら…なんだってやってやる。
どんなことだってできる。
オレは……

「ちゃんと覚悟はできてる」

だからさ……先生。

「絶対に傍に行ってやるってば!!」

それまで……待っててくれよ……
カカシ先生……

この日…
オレの心は決まった。
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