はたけ一家のお部屋

□お父さんの好きなもの
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やがて夕方になり、チビの気配がチラチラとよぎる。

うちのお姫様のお帰りのようだ。


「ただいま〜ってば!!」
「サツキ。おかえり」


チュッと親子のキス。
これがオレとサツキの日常。

シズクが見たら怒り狂うだろうなぁ…なんて考えてたら、小さな手がくぃっとオレの袖を引っ張った。


「ん?なぁにサツキ」
「あのね!父ちゃん…」



ファサッ…



小さな両手の中には可愛らしく飾られた花がいた。


「父ちゃん!お誕生日おめでとうっ!」


天使の笑顔でそう言って、サツキは花をオレに差し出した。

…あぁ。ミナト先生。
娘って素晴らしいですね…!!

目に涙を溜めて、今頃クシナさんとお茶を啜ってるであろう恩師に語りかけた。


「ありがとう…サツキ」
「へへっ!サスケちゃんと一緒に作ったんだってば!ダリアって言うんだってばよ!」
「…え?サスケと一緒に作ったの?」


サツキはぶんぶんと頷く。

あのスカしたガキが…
…一体何をたくらんでいる…?


「花言葉はね〜“信頼”だってサスケちゃんが言ってた!」
「へぇ〜…“信頼”ねぇ…」


(絶対なんかあるな)


心の中で決定打を出して、オレはサツキを抱きしめた。

ナルトと同じ匂いが鼻を擽る。


「大切にするよ」
「うん!!」


…さて。


「サスケちゃんに会いにいくか」


オレは瞬身で姿を消した。








サツキはサッスーをサスケちゃんと呼びます。
因みにミナトさんもそう呼びます。
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