無重力アイラビュー
□5.ビッグバンは、突然に
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「潤君へのお祝い、何持ってくの?」
少し屈んで、小声のまま話し出す二宮。
…へ?
な、なんだ。
そんな事かよ〜。
なんて事ない質問に、ホッとして一瞬黙り込めば。
「え?まさか、何も持って行かないとか「バッカ!!んな訳ねぇだろ!!…一応、赤ワイン持ってこうと思ってるよ。」
松本も、好きみたいだしさ?
チラリ、横目で見つめると。
ふーん、なんて興味なさそうな相槌。
「…つーか、そういうお前は何持って行く訳?」
わざわざ、ここまで聞きに来るくらいだから。
余っ程、自分は素晴らしい贈り物「俺?ゲームに、決まってんじゃん。」
いやいや。
決まってるじゃんって、二宮さん。
“贈り物=ゲーム”なんて、決まり事はどこにもございませんよ?
「…それ、自分がしたいだけだろ?」
呆れ口調で、そう返せば。
「うっわ。人聞き悪い。」
俺はサトシ君の事も考えて、持って行くってのにさぁ。
一つも表情を変えないで、手元の書類をパラパラと捲った。
「…は?サトシ君の為?」
一体、どういう…?
「だって、あんな楽しいもの知らないなんて、地球に来た甲斐ないでしょ。」
ちゃんと、教えてあげないとね?
ガシリ、俺の肩を抱くと。
スッゲー楽しみ、なんて嬉しそうに立ち去っていった。
「…もう、松本の祝いでも何でもねぇじゃん。」
それに、俺はサトシ君をゲーマーにさせる気はこれっぽっちもないからな!!
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