無重力アイラビュー
□5.ビッグバンは、突然に
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「う、浮気者って、なんだよ!!俺はそういう意味で、言ったんじゃ「知ってるよ。」
え?
「隣の人に、夢中なんでしょ?こんなの冗談に、決まってるじゃん。」
本当、からかい甲斐のある人だよねー。
んははって、大口開けて笑うと。
グラスに入ったナッツを一つ、空中に放り投げて。
に、二宮ー!!
隣の人に夢中とか、そんな…そんな「しょう、だっこ。」
しょう、だっこな事…
うん?
しょう、だっこ…?
嫌な予感に、恐る恐る隣を向くと。
松本特製のミートスパゲティで、口の周りを真っ赤にした彼が。
甘えるように、両腕を広げていた。
サ、サトシ君…!!
「わー。翔さん、良かったね?ほら、早く抱っこしてあげなよ。」
彼、甘えてんじゃん。
面白そうに、顎で促す二宮。
バカ、バカ!!
煽るような事、言うんじゃねぇよ!!
きっと、以前の俺なら手放しで喜んでた光景に違いないのに。
それが、今はこんなにも複雑だなんて。
「…だっこは、ダメだよ。」
ここで妙な事になったら、言い訳出来ませんもの。
「良い子だから、大人しく座ってようね?」
そう言って、彼の口元をティッシュで拭えば。
自分の言い分が、聞き入れられなかった事が不満なのか。
眉を寄せ、泣きそうな顔で俺を見つめてくる。
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