頑張れバンクーバー!!

□友情の有効期限
1ページ/1ページ

これが北国の意地ですか。
金メダル8つなんて尋常じゃない。
そう私が呆けていると、ノルは「そんな事もね…」と言って笑った。
因みに現在、私たちはソファに腰掛けながら、オリンピック総集編を観戦中。


「カーリング凄かったねぇ…」
「最後、マシューんとこに負けたんが気にくわねけど…よがった」
「うんうん。あんなにカーリングで白熱したのは初めてだよ」


…これは、仲の良い友達の母国同士の対戦だったから、なんだけど。


「でも日本のメダルは今のところ合計で5個ですか。頑張った結果だねー」
「んだな…因みにノルウェーは22つだけんど」
「厭味ですか?」
「別に」


どう考えても厭味にしか聞こえない。
でも日本選手も頑張った結果だし、感動もさせてもらった身だから文句なんて言えるはずもなく。
だけどメダルの数で負けているのは事実なので、急いで話題を変える。


「いやぁ、でもノルん家のテレビ大きいねー!オリンピック観戦のために家連れてきてもらったわけですが」
「別に…独りで見るのもつまんねぇし。おめぇが来てくれたけ、こっちも嬉しいし」
「ありがとうノルよ…お姉さんはノルのことが大好きさ!」


プッとそっぽを向きながらそう口にするノルが可愛くて可愛くて。
ぎゅーっと抱き締めていたら、ノルがぽんぽんと私の腕を叩いた。


「ちょ…やめ。おめぇ女だべ」
「そりゃ女ですけどー」
「こっぢば男なんだけんど」
「だってノルだもん。ノルだもーん」
「意味わがんね…」


そうノルが言った瞬間視界がぐるっと動いた。
目の前にはノルの顔。私押し倒されてる?
そう思うが早いがノルがずいっと私に顔を近づけた。


「俺の事、どう思ってんだ?」
「は?」
「俺の事、嫌いか?」
「いや、嫌いじゃないけど…」


ていうか、今はそんな場合じゃないでしょ。
そう言いながらノルを押しのけようとすると、ノルが私の両手首を頭の上で押さえつけた。


「ちょ、動けないじゃん…!」
「動かんぐでいい…どう思ってんだ」
「だから、嫌いじゃないって」
「好きでもねぇのが?」
「好きだよ?」
「おめ、絶対意味分かってねぇべ…」


そう言いながらノルがため息をついた。
そのとき、初めてノルの言いたかったことが分かったかもしれない。
そう思うと、口が勝手に動いていた。


「ノル」
「…んだ」
「好きだよ」
「だがら…おめぇは意味分かってねぇから…」


キスをした。
私の突然の行為に驚くノルを見ながら言った。


「好きだよ?」


その瞬間、ノルが私の手首をパッと解放し、私に背を向ける。
不思議に思って回り込んでノルの顔を見てみると、


「ノル顔真っ赤じゃん」
「誰の所為だと思ってんだ…」
「だって」
「だっても何もねぇ」
「ノルの所為だよ」
「あ?」
「ノルが意識させるからいけないんだ」
「んじゃ、俺があぁしんかっだら、意識せんかったんけ?」
「まあそうかもしれない」
「ざけんな」
「痛いです痛いです叩かないでください」
「軽くだべ」
「痛いから」
「そか。じゃぁ優しくすんべ」
「んんっ…ノル…っ、それ叩いてない」
「キスっつーんも、結構良いもんだなぃ」



友情の有効期限
(明日からは新しい関係ですね)


-----------------------------------------------------
ノル君ってどう書くんですか(^q^)
世の中のノル君ってかティノとアイス君除く北欧書ける人本気で尊敬します。

そして誠にすみません。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ