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□風が運んでくれた恋
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休み時間






私の隣の席で机に伏せて寝ているのは光君






そう言えば授業の後半から寝ていたっけ…






ふふっ…寝顔可愛い






普段はクールで口数も少ない






受け答えもあっさりしてて最初は嫌われてるのかと思った










東京からこの大阪にある四天宝寺中学校に転校して来て1ヶ月







知らない土地で不安だらけだった







しかも言葉使いがまるで違うから最初はかなり戸惑った







テレビなんかじゃよく聞いてはいたつもりだったけど






実際に関西弁で会話する人達を目の当たりにした時はちょっとビックリした







あまりにも会話のテンポが早くてついていけなくて






しかもちょっと乱暴な感じに聞こえたからケンカしてるのかと思った






正直この学校で頑張るのは無理だと思った






でもクラスのみんなはそんな私に優しくしてくれた






本当はみんな温かいひとばっかりなんだって気が付いた






でも隣の席に座るのが光君だったから初めのうちは本当に大変だったな…






冷たい人…






何も話してくれない人






それが最初の頃の印象






今じゃこんな風に名前で呼べるようになったけどね






ここに至るまではかなり苦労したんだ






そう…






あの日がきっかけで私達は少し仲良くなれたんだ




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