あの日見た空。

□Ep-49
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「今井…」


「何?」


「こんなのぞきみたいなマネ、やめた方が…」


「何で?」



「だって、棗に悪いし…」


「どうして?」


「どうしてって…美羽も何か言ってやってよっ」



「いいんじゃない?別に…」



ただ今、蛍、流架と共に隠れて棗とお兄ちゃんの会話を盗み聞きしている最中だ。



「ちょ、美羽!?」

「流架、うるさい」





【Ep-49 守るための隠し事】







「蜜柑の身の潔白を証明する」


「どうやって?」


「決まってるじゃない…私が、この騒動を起こした首謀者だって名乗りでる」


「「「「なっ!?」」」」




「こうして蜜柑はめでたく解放!」



「このバカは…っ!」


発言後、ものの数秒でお兄ちゃんに頭を鷲掴みにされ、圧をかけられた。



「痛い、痛いっ!」



「とりあえずお前ら、教室戻れ。
万が一で蜜柑の処分が軽い場合もあるだろうし、俺も今からツテあたって何とか出来ねーか頼んでくるし」




お兄ちゃんの“ツテ”はきっと、あいつだ。昔だったら、お兄ちゃんのツテに心配はなかったかもしれないが…今の“ツテ”は心配がありすぎる。



「ツテ…なんてあるの?」

「んー、なきにしもあらずかもしんない」


蛍の質問に曖昧に答えるお兄ちゃんが遠く感じた。



「だめ!お兄ちゃんの“ツテ”は、使いたくないっ」


「っ!? なんだ、反抗期か…この〜」


背中を叩かれるがそんなの気にしない。明るく言っているが、そんな簡単な話じゃないんだよ。お兄ちゃんは、わかってるの!?


「ダメだよ…絶対」


「大丈夫だ、お兄ちゃんに任せろっ!
とにかく、お前らまで風紀隊に捕まる必要はない。ちゃんと帰れよ〜」



ニッと歯を見せて笑うお兄ちゃんに渋々承知した蛍達。


「お兄ちゃん、やっぱり私が…」


「ダメだ!蛍ねーさん、ウチの子よろしく頼む」


そうして私は蛍に促されるようにして帰る事になった。それに続き流架も帰ろうと歩み始めるが棗だけがお兄ちゃんに話があるようでその場に残った。



それが気になり私達は、草むらに入り盗み聞きを決行した次第だ。








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