あの日見た空。

□Ep-16
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「やぁ。久しぶりだね、美羽君」



「お、お、おっ久しぶりです」

「バカがっ。ちゃんと話せないのか、貴様は!!」


展開についていけなかったが、とりあえず挨拶はしなくてはいけないと思ったのか美羽が吃りながら言葉を発すると後ろから神野の鉄拳が飛んできた。


「すいません〜っ!!
でも、殴んなくても良くないですかっ!!これから何するかも言わずに急に場所が変わったら誰だってビックリですよ…
んで、唖然としちゃうんですよ!!」


盛大に大声で言うとまた鉄拳が…以下同文。


「黙れ。校長の前で大声を出すな」


「…先生の声も十分うるさいです」


「貴様っ…」



そう言い捨てると神野先生は鉄拳の準備をし始めた。
私はそれを交わす準備をした。


「やめたまえ、神野君…」

「…申し訳ございません」


「美羽君、すまないね。
君に紹介しておきたい生徒がいるんだ。本日は、その為にここに来てもらったんだ」


「……紹介しておきたい、人…?」


「ああ。紹介しよう
櫻野、今井…」


高等部校長の言葉に従うように私の目の前に男子高等部生徒が2人が並ぶ。


「こんにちは。
さっきは何の説明もなしに瞬間移動してしまってごめんね」


「い、いえ。
こちらこそ、なんかすいません」

先程の長髪の男性が微笑みながら言うと、何故か謝罪の一言が出てしまった。


「僕は、櫻野秀一
生徒会長で一応学園総代表です。よろしくね」

「せ、生徒会長っ!?
えっと、すいません。よろしくお願いします」


また謝罪が出てしまった…。


「今井昴だ。潜在系総代表で副会長をやっている…
よろしく」


次に眼鏡をかけた方の人が挨拶してきた。
言いたい事を必要最低限に抑え、少し堅そうだが、伸ばされた手に自分のものを合わせると優しい握ってくれた。
きっと、良い方なんだろうな…


「…私は、安藤美羽です。
アリスは、“影使い”のアリスと“想像実現”のアリスです。よろしくお願いします」


2人の自己紹介が終わったあと、改めて自分の事も言った。

その後は、アリス祭での初等部校長の行動や佐倉蜜柑への対応、初等部校長のお客の監視等の打ち合わせのようなモノをした。


「佐倉蜜柑の件は、しばらくは神野君と美羽君に任せます。よろしく頼んだよ」


「はい…了解いたしました」


「初等部校長のお客様は全員、自分達の持ち場で又は各々の居るエリアでは注意を配っておいてくれ」


校長の言葉にこの部屋にいる皆が頷く。


(いよいよ…始まる。アリス祭が。
いろいろ頑張らなきゃ…)








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