02/12の日記

01:11
Give me
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 甘いものが苦手だったことが災いした。
 初めて恋人からチョコをもらったとき、甘くて食えるかと突き返したとき以来、彼女からチョコを貰ったことがない。
 もっぱら、手縫いの手ぬぐい五枚セットだ。
 それでも良いのだが、今年は少し心情が変わった。
 彼女には、異性の友人が多い。それも、クラスの人気者とか、どこぞの御曹司とかイケメンなど、俗にいう『もてる男』だ。
 毎年、家族と友人にチョコを渡す彼女。
 家族ならまだ許せるが、流石に友人は許せない。
 料理上手のため、もちろんお菓子作りも上手い。
 彼女の菓子は安心して食べられると、彼らは彼女からのチョコを楽しみにしているのだ。
 その事実が腹立たしいのだ。
 ガキのようなことを言うなと自分でもわかっている。
 わかっているのだが、泥々のマントルみたいな感情が押さえきれない。
 押さえきれなくなり、恋人に、チョコが欲しいと告げると、やはり不思議そうな顔をして、「何故?」と聞いてきた。
 心情を知られたくないため、理由を告げずにいると「楽しみにしていて下さいね」と怒りを笑顔の仮面で隠した顔で告げてきた。
 また怒らせたか…。
 最悪のバレンタインになりそうな予感に深いため息をはいた。

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