02/09の日記
22:40
僕の初恋を貴方に捧ぐ(清→ねね)
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恋をすると言うことはとても難しい。
どんなに想いをついやしても、その想いが報われないときの方が多い。
それでも、その恋は例え報われないとしても無意味ではないと思う。
だから人は、なんど報わなくても恋をするのかもしれない。
《僕の初恋を貴方に捧ぐ》
『初恋』の人の定番は保育園や小学校の先生だったり、近所の年上の人だったりする。
クリーニング店『丸虎』の店主、加藤清正も言うに及ばず。
マーフィーの法則並みにあたるセオリーにがっつり一致していた。
―清正さんの初恋の話を聞きたいわ。
―きっと可愛らしい話なんでしょ?
店内にあるパイプ椅子に腰掛け、六花堂の看板生き人形の花子と貞子は、最近店に入荷したお気に入りのティーセットを持ち込んで暢気にお茶会をしていた。
カップの数は三つ、自分たちと清正の分だ。
白い大きなお皿には、大家さん特性のチョコレートケーキに二人が作ったと言うチョコクリームを挟んだマカロンが乗っていた。
午後三時過ぎ、店の客足が一時的に止まる時間だ。
その時間を見計らって、二人はやって来たのだろうが、見た目は人間にしか見えないが怪奇現象そのものである二人の到来に、清正は頭を抱えていた。
まぁ、二人の到来は良くあることだから清正も半分諦めているふしが有るが……。
しかし、清正が頭を抱える要因が他にもあった。
昨日、どうやらフルフルの二人と友人の店のアルバイトが話していたらしく、バレンタインの話から初恋の話になりとても盛り上がっていたらしい。
それを聞いていた二人は、是非とも他の住人たちの話しも聞いてみたいと思った。
しかし、自分たちの主人の六花堂こと長屋の大家さん、雪光だとその内容がかなり黒くなりそうなため、安全牌の清正に白羽の矢が立ったと言うわけだ。
―ねねさんとの本気の一本勝負の行く末、気になるわ。
―そうですね、花子さん。気になりますね。
間違いなく、可愛かったんでしょうねと、本人をそっちのけで話をする二人に、清正は更に頭を抱える。
―清正さん、話してくださいな。
―ねぇ、良いでしょ?
ねぇ、気づくと目の前まで詰め寄る二人に根負けし、清正は自分の話をこの二人に話さざる終えなくなったと確信し、また深いため息をついた。
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