めいん2

□第四部前編 籠の中
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(牙視点。)


………鹿丸が部屋を出て行って、どのくらい経っただろう。
もう随分と前のことのようにも感じるし、つい先程のことのようにも思う。


しかし、
部屋の隙間から見える朝日と鳥の声で、
一晩中俺はこの畑案山子に組み解かれていたことを思い知らされる。


着物の裾ははだけ、白く乾いたどちらのものともわからない欲望がべっとりとこびりつき、上等の着物を見るも無残な姿に変えている。


「ありゃ、ちょーっとヤりすぎちゃったみたーいね。」
のんびりと案山子はそう言って俺のナカから自身ん引き抜く。

途端、今まで案山子によって注ぎ込まれた欲望がトロトロと俺の蕾から流れ出る。
その感覚が何とも気持ち悪く、俺は朦朧とした意識の中で熱い息を吐いた。

「ん…あ………」
流れ出る欲望が熱い。
でもカラダは疲れ切っていて、
もう何の反応も示さなかった。
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