OP・連
□その9
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エルマル。
かつて緑の町と呼ばれていたが、今は枯れ人々に見捨てられた町の名前。
「ねぇ、本当に彼らはここに来ると思う?」
『くるんじゃねぇの?風や砂達が騒いでる。
・・・ここに、麦わらの一味がもうすぐ来るってな』
肩にとまったピードの言葉を信じ、私は多めに持ってきた食料をテントの中で調理をする。
最後に聞いた麦わらの情報を元に私の計算では、今日、彼らはこのエルマルに上陸するはずだ。
・・・反乱軍の拠点であった、ユバで彼らの動きを止めるために。
けど、残念ながらすでに反乱軍は拠点を“ナノハナ”のとなり町“カトレア”に移している。
海の上にいる彼らに、最新の情報を手に入れることなどできないはず。
そして、何より彼らはこの国の王女ビビを連れていることで人目を避けて行動してなくてはならない。
だから、ナノハナから上陸し人の往来が多い正規のルートで来る訳がないのだ。
「私・・・本当に彼らと共に行動できると思う?」
ぽろりとこぼれ落ちた弱音が、空気に溶ける。
『・・・珍しいな、ミィナが弱音を吐くなんて』
「ごめん・・・私、自分が思っていたより弱かったみたいなの」
『“できる?”じゃないだろ。“できなきゃいけない”んだろ』
彼の言う通りだ。
私は、麦わら達と行動を共にしなくてはならないのだ。
私を護るためにも。
「・・・そうだったわね」
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