忍乱・連
□止
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「ワタシと結婚しよう、茜!」
食堂に響き渡る体育委員長、七松小平太の声。
ニコニコと満面の笑みで言ったプロポーズの言葉。
言われた茜は、箸に挟んでいた唐揚げを箸ごと落とした。
食堂にいた忍たま達の動きも止まり、その一角に視線を向けている。
「・・・はぁ?」
茜はおいしい料理を食べて浮かれた笑顔のまま、目の前にいる小平太に向かい
「何いってんですか、あんたは」という気持ちを込めて、疑問符を投げかける。
その気持ちが分かったのか、分からないのか。
ニコニコと笑顔を浮かべたまま口を開いた。
「だから、ワタシと結婚しよう!!」
いや、だから、なんで?
「おい、小平太!
どうして、茜がお前と結婚しなくちゃなんねーんだよ!」
やっと硬直から脱した留三郎が、小平太に向かって怒鳴りつける。
その顔は赤い。
「ん?茜と夫婦で、町で話を集めるんだ!」
「・・・つまりぃ、情報収集のために私と夫婦設定で町へいくってことー?」
「そういうことだ!」
「・・・茜、よく上の説明で分かったな」
「もう6年目だからねぇ・・・」
「・・・成長したな」
あまり、嬉しくない成長だ。
茜が口に出さず、表情でそれを訴えると留三郎からは苦笑を返される。
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