忍乱・連
□探
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「長次いるぅ?」
人気のない図書室。
そこにいるだろう友人の名前を呼びながら入ってきたのは、茜だ。
図書委員長、中在家長次が座っているだろうカウンターに視線をむける。
しかし、そこにいたのは5年生の不和雷蔵だ。
「あれー?長次ここにいないのぉ?」
「茜先輩。
中在家先輩でしたら、用事があるとかで席を外しましたよ」
「どこ行ったか知ってるー?」
「たしか、松千代先生に呼ばれて・・・」
「そっかー。じゃあ、行ってみるねぇ。
ありがとうねぇ、雷蔵ー」
雷蔵に手を振って茜は図書室を後にした。
「失礼しますぅ。松千代先生ー、中在家くんいますかぁ?」
「茜さん?な、中在家くんならさっき出ていきましたよ・・・」
「むぅ。どこへ行ったか知ってますかー?」
「昼食をまだとっていないと言っていたので、しょ、食堂だと、おもいます」
「ありがとうございましたー、失礼しますぅ」
ペコリと頭を下げて、職員室を後にした。
「おばちゃんー。長次いませんかぁ?」
「おや、茜ちゃん。
中在家君ならさっきご飯食べて、出ていったけど」
「えー!どこへ行ったか知ってますかぁ?」
「4年生の所へ返却の催促にって、つぶやいたような・・・」
「4年ー・・・誰とかはぁ?」
「んー・・・滝夜叉丸君、だったかしら?」
「おばちゃんありがとー!」
ニコリと笑顔を残して食堂を後にした。
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