Short Story
□もう一度、はじめから。
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時は平成。
江戸も、随分と変わった。
いつの間にか天人もいねぇし、あのでっかいターミナルも無くなってる。
変わってないことと言えば、あの時代にいた奴らが、今もそばにいるということ。
神楽や新八、土方沖田近藤もいるし、ヅラや辰馬、お妙、お登勢、もちろん、晋助も。
俺は国語の教師やってる。
大好きな奴らがいて、みんな笑って仲がいい。
まさに、理想の世界。
晋助と話した、素晴らしい世界。
ただ一つ、気に入らないのは―――
「なぁ銀八、どうしたんだよ?」
こいつが、
覚えていないということ。
なんでだ?どうして言い出しっぺのこいつが、忘れてる?
俺は今も、お前の事を愛しているのに、どうして?
どうして?ドウシテ?
俺は、どうしたらいい?
あぁ、そうだ――――
もう一度、やり直そうか。
また廻って、来世で会おう。
じゃあまた後でね、晋ちゃん。
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