Short Story

□望ム世界ハ
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先生、俺、もうそっちに行ってもいいかな?

世界を壊すってェのは、なかなか疲れるもんで、
先生もいねぇ、銀時もいねぇ、護るもんもねぇで、俺はこの世界になんのためにいる?


この間、ヅラにおんなじような質問したっけ…

自分の信念もわからなくなってきてやがらァ。

でも、俺ァもうどうしたらいいかわかんねーんだよ。


こないだな、夜に夢を見たんだ。



世界をぶっ壊して、ターミナルに立ってるときに、銀時が来て俺に言うんだ。

ごめん、ごめんなって。
今度こそ俺が護るから、今度こそお前を離さない、ずっと護るから、って。


「今さら何言ってやがる、
どうせお前は俺なんかより世界や幕府の狗の方が大事なんだろ?だから今だってこんなことしてまで俺を止めてる。」

―――ちがうんだ。本当は。
こんなこと言いたいんじゃない。
本当は、すごく嬉しかった、でも俺から発する言葉は、なぜか違うことばかり。

『ちがうよ、心配してるんだよ、晋助のこと。
このままじゃ晋助死んじゃうでしょ?そんなの俺は嫌だ。そんなの……許さない。』


[晋助]だって。
もう一生あいつに呼ばれることなんてないと思ってたのにさ。


『ね?もう帰ろ?』

「…でも、俺は松陽先生のためにこの世界をっ…」

『いいんだよっ、もう。
もういいんだ、松陽先生も言ってたろ?「己の護りたいものを護るために…」って。
まだ間に合うよ、晋助。
これからまた作ろ?護りたいもの。松陽先生の望み、叶えてあげよ?』


「松陽先生の……望み?

『うん、』

考えもしなかったんだ。
松陽先生のために、この世界をぶっこわそうと思った。
でも、松陽先生の望みは―――?

「――――護りたいもの、お前。
俺は、銀時を、お前らを、護っていきたい。」

そう言ったらあいつは、少しだけ驚いた顔をして、すぐににこりと笑った。

『さ、行こう。晋ちゃん♪』

「晋ちゃん言うな。」



ガシャァァァァン!!




いきなり、突き飛ばされた。
俺は後ろに尻餅をついて、まえを見ると、銀時が鉄骨の下敷きになっていて、意識がなくなっていた。











ウワァァアァァァ!!






そこで、目が覚めた。

あぁ、夢でよかった、本当に。


そう思ったし、それから銀時のことがずっと頭にあって、世界を壊すどころじゃなくなっちまった。

こんなことなら、もういなくなってしまおうか、もしあの夢が正夢で、あの銀色がなくなったら、俺の存在理由は本当になくなっちまう。









なぁ、銀時。
俺ァ、どうしたらいいんだ?



ねぇ、松陽先生。
俺の存在してる理由をおしえて?
俺もそっちの世界につれてって?









それで、次にこの世界に来るときは、もっと素直な俺がいいな。






終わり。
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