Short Story
□堕ちて、落ちて、オチテ
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「江戸に高杉一派が入ったかもしれん。」
真選組隊士達に、緊張とざわめきが起こる。
明日、江戸で一番大きな祭が開かれるのだ。
真選組は、その警護を任されていた。
「まぁ今回は、将軍が来るわけじゃねぇ。一般市民を護るだけだ。」
「だからと言って気を抜くなよ。」
一息ついたところで、土方が割り振りを発表する。
「よし、一番隊は、メインステージ。二番隊は大通りに通じる入口。その他は屋台と矢倉の周りなど全般だ。俺と近藤さんは、一番隊と一緒にメインステージだ。」
「うへぇ、マヨラーと一緒ですかィ?めんどくせーなー、死ねよ土方。」
「死ね沖田。」
「死ね土方。」
「死ね沖田。」
「死ね沖田……あ、間違えた土方。」
いつもの日課を終えた沖田は眠りにつき、土方は明日のことについてまとめ、本日の会議は終わった。
☆★☆★☆★☆★
「これで明日のお祭りも楽しめますねっ」
「ヤッホーアル」
「そーだなー、わたあめいくつ食おうか……」
万事屋の三人は、帰り道を歩きながら話していた。
今日は珍しく依頼が入り、しかもかなり儲けられた。
話題は明日の祭のことで持ち切りだ。
「明日か――」
銀時は一人、祭好きの男のことを考えていた。
「会いに来るかもしれねぇな」
「え?誰がアルか?依頼人アルかっ?お祭りなのに…」
「ちげーよ、ただのチビ助だ。」
何かを考えながら、不安と期待とを含み、銀色は一人笑っていた。
☆★☆★☆★☆★
「晋助様っ、明日の朝には江戸に到着っス」
「あぁ、わかった。」
「襲撃の準備するでござるか?」
「いや、今回はなんもしねェ」
「そうっスか……てかなんか楽しそうっスね?」
「そんなことねぇ。もういい下がれ。」
「わかったでござる。」
そう言うと、万斉とまた子は晋助の部屋を出ていった。
明日は、会えるかもしれねぇな。
続く