Short Story

□愛輪廻
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なんだかさっきから、頭痛がする。
頭の中で、鐘がなっているような、そんな感覚。

銀八は、俺の手を引きながらずんずんと歩いていく。

なにをそんなに急いでいるのか。

「銀ぱっ、ちょ待っ、早い。」

「えっ?あーごめん。………てかどーした?顔色わりぃぞ?」

「あー、さっきから頭痛がな」

「おいっ、大丈夫かっ?」

そう言って、高杉に肩を貸し、歩むスピードを緩める。

いよいよ、目的の場所に着いたとき、高杉の頭痛は最高潮だった。




意識が遠退く――




最後に銀八の顔を見たら、あいつは心配そうに高杉の名前を呼んでいた。
























「銀時!!」


―――ここは?


「おまっ、血がっ、怪我したのか!?」

「なわけねーじゃん、返り血。」

「……よかった」


―――そうか、ここは戦争、攘夷戦争だ。

















「早くこの世界から退席しねぇか?」

「晋助は、死にたいの?」





時代が変わったのか?
覚えてる。……だけど思い出せない。
この日はたしか―――




「だって、来世でまた会えるんだろ?」

「………忘れてたら?」


「俺が思い出させてやるよ、こっちの世界のことも、俺達の関係も、この約束も。」

「ほんとに?」

「あぁ、約束する。」








そうだ、思い出した。
俺と銀時は――――――
















「……銀時?」




「晋…助?」


「あぁ」























「おかえりっ」






そう言って、銀時はぼろぼろと涙を流した。



「ばかっ、晋助が思い出させるって言ったくせに自分が忘れてんじゃねーよ、」


「わりぃ」


「スゲー寂しかったんだぞ、ずっと、ずっと愛してたのに。」


「あぁ」


「思い出してくれてよかった。」


「俺も、思い出せてよかったよ。」


「晋助、」


「銀時、」




――――――愛してる




















この世界では、ずっとずっと、二人一緒に。















愛しあいましょう。















誰にも追われず、















誰にも邪魔されずに、















二人で手を繋いでいましょう。











end
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