〜プロローグ・第1話〜
□プロローグ
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宇宙の中には、生物が存在する惑星が数え切れないほどにある。
そのおよそ半数に、人間と呼ばれる種族が生活している。
そしてそのどの世界でも、人間になんらかの悪影響を及ぼす「負の原因」が存在する。
人間を襲う魔物、戦争、飢餓、犯罪、よからぬことを企む者……。
宇宙には、これを少しでも改善しようとする「世界の傍観者」が存在する。
彼らは宇宙空間で生まれ、宇宙をさ迷い、人間が住む惑星を見つけ次第そこに降り立ち、「負の原因」を改善していく。
そして魔法という能力を使い、なるべく早く改善を目指すのだが、基本的には協力という形になる。
真に世界を善くしていくのはそこに住む人間達であるため、場合によっては何十年もかかることがある。
彼らに決まった姿や名前はないが、大抵は人間の姿をして、思いついた名を名乗っている。
極稀に、人間以外の姿をする場合もある。
どんな容姿であれ、彼らに寿命はない。
そうして「負の原因」を改善したならば、すぐに宇宙へと飛び立ち、別の世界へ向かう。
宇宙に人間が住む世界がある限り、彼らの仕事は終わらない。
「世界の傍観者」として生まれた、宿命である。
そして今日も、一人の「世界の傍観者」がとある世界に降り立った。