小説・三
□モ ラ ト リ ア ム
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好きにしてと言わんばかりに無防備な身体を預け,唇を重ね,愛撫する。
花太郎が一角の上に腹這いに寝そべり,その首に細い腕を巻きつけながら,甘い吐息と共に彼の下唇に噛みついた。
淫靡だと言われるけれど,この少し大胆な接吻で更に高揚する。
一角の手が花太郎の背から腰までを滑り落ち,そろそろ我慢の限界であると無言で訴えた。
その合図に従って,――もう少しこうして舌と舌での愛撫を楽しんでいたかったが――花太郎が上体を起こし一角の手に導かれるようにして熱く猛るものに身体を沈ませた。
「ん…あっ,あぁ…」
いくらでも突き進まれそうで,本当は少しきつい。
それでも一角は容赦なく自身を突き上げて,やがて花太郎の力が抜けたころに,彼を下にして更にもてあそぶ。
「駄目…そんなにしたら,…あっ」
とろけそうな眼差しが空をさ迷う。
この大きな眼を見るたび,その存在感に圧倒される。
――――――