迷
□Wedding Kiss
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「自分で選んだはずの道.....でしたのにね...」
わたくしはか細い声で呟いた。
父がわたくしに託した想いを引き継ぎたいと思ったのも本当で...。
そうであるならば、キラと離れることは逃れられない現実...ということは解っていたはずでしょう?
カガリさんだって、その為にアスランと別れた...。それが、国を治める者としてのけじめだから。
...わたくしも、本当ならキラに別れを告げてこなければならなかった。
もう会えない、と...。
けれどそれが出来なくて...結局なにも言わずに此処へ来てしまった。
「これでは議長失格.....ですわね.....」
気付くと、涙が頬を濡らしていた。泣いても仕方ないのに....泣き止もうとすればするほど止まらなくて。
「....っ...キ...ラ...!...ぅっ....ふ...ぇ...キラッ......!!」
会いたい。
会いたい...。
会いたい.....!
キラに...。
わたくしは声をあげて泣いた。そうしなければ、今にも心が壊れてしまいそうで....。
自分がこんなに弱い人間だったなんて...初めて知った。
わたくしの中のキラの存在が...こんなにも大きくなっていたなんて...知らなかった.....。