□My dear...
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傷ついた小鳥がわたくしの元に舞い降りて来た。見るのも無惨な程に引き裂かれた翼は、もうその小鳥が飛べなくなってしまったことを告げている...。


キラ.....


わたくしは、涙を流したまま気を失っているその小鳥の名を知っていた。かつてわたくしを救ってくれた優しい小鳥。またお会いしたいとは思っていたけれど、こんな形で会うことになるなんて......


何とか一命を取り留めた状態で、心臓が弱く脈を打っているだけ。何故...こんなことに....?わたくしは、あなたとお話したい。どうか目を覚まして.....



祈りながらあなたを看病する日々が続いた。幸い身体の回復は順調で、コーディネーターとはいえこんなに回復が早いのは不思議だ...と、手当をして下さったお医者様も驚くほど。


安らかな表情で眠るあなたは、本当に小鳥のように可愛らしくて。わたくしは無意識のうちにアスランとは真逆ですわね...と呟いていた。


そして、小鳥はついに目を覚まして。澄んだ紫色の瞳でわたくしを見つめた。まだ夢見心地の、幼い瞳。


けれどすぐに険しい表情になって...激しい慟哭に襲われる。震える手にわたくしが手を添えると、涙が二人の手を濡らしていった。
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