短
□Requiem
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青白く光る宇宙。激しい戦禍の残骸に紛れて、一人の少年が漂っている。
彼の名は、キラ・ヤマト。
『どうして僕らは...こんなところに来てしまったんだろう…』
瞳に涙を溜めながら、キラはそう呟いた。
戦争の後に残るものは、傷跡と悲しい記憶だけ。
それなのに、人は何故戦いを止めなかったのだろう…。
どうして多くの生命を奪ってしまったのだろう…。
『キラ!キラ…!』
カガリとアスランが涙を流しながら自分を迎えに来るのが見える。
大切な人達の無事を心から喜び、戦禍の傷跡を噛み締めながら、キラは静かにその瞳を閉じ、とめどなく涙を流した。
『僕達の、世界は……』
地平線から夜明けの光。それは永かった夜の終わりを告げる、希望の光の様だった…。
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