□Requiem
2ページ/13ページ


青白く光る宇宙。激しい戦禍の残骸に紛れて、一人の少年が漂っている。

彼の名は、キラ・ヤマト。


『どうして僕らは...こんなところに来てしまったんだろう…』


瞳に涙を溜めながら、キラはそう呟いた。


戦争の後に残るものは、傷跡と悲しい記憶だけ。

それなのに、人は何故戦いを止めなかったのだろう…。


どうして多くの生命を奪ってしまったのだろう…。



『キラ!キラ…!』



カガリとアスランが涙を流しながら自分を迎えに来るのが見える。


大切な人達の無事を心から喜び、戦禍の傷跡を噛み締めながら、キラは静かにその瞳を閉じ、とめどなく涙を流した。



『僕達の、世界は……』


地平線から夜明けの光。それは永かった夜の終わりを告げる、希望の光の様だった…。







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ