novel
□1章 第1話
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通称北の大陸と呼ばれるこの地、セフト大陸
その大陸の西の海に面している潮風が心地良い街、テリベ
港街であるここはやはり漁業が盛んである
それに加え、船という重要な交通機関があるためいろいろな国の様々な交易品の店が、所狭しと道に列ねていた
そんな店達が列ねている大通りを金髪と緑髪の青年は歩いていた
「スゲ〜な〜…海が近ぇ!」
「海が珍しいのか?」
「あぁ!初めて見る!」
髪の色より少し濃い深緑の瞳をキラキラと輝かせ、腕の通っていない右の袖をパタパタさせながら、ダルは街中からでも綺麗に見渡せる海を飽くことなく見つめていた
金髪の青年はというと、海ではなく街中にある目当ての店の看板を探していた
「何の店を探してんだ?」
「酒場」
「酒場ァ?まだ昼もきてないのに酒飲むのかァ?」
「違うわ、情報収集。酒場なら人が集まってるだろ」
「あぁなるほど…」
感心してこちらを見ているダルには目もくれず、金髪の青年―イファンは目当ての看板が掛かっている店へと足を向けた
ギィ…
もはや年代物であろう古い木の扉を開く音とともにイファンとダルは酒場へと入ってきた
昼が近いと言えどもまだ朝と呼ぶ方が正しい時間帯であるにもかかわらず、酒をあおっている剣士やカードなどの賭け事をしている魔法士がテーブルを埋め尽くしていた
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