novel

□1章 第5話
1ページ/20ページ




―ねぇ母様


―なぁに?


―どうして毎日神様にお祈りするの?


―それはね、みんなが元気でいられるようによ


―お祈りすると元気になるの?


―そうよ。神様は私達のことをいつも見守って下さっているもの


―神様はどこにいるの?


―神様はね、あの大空に浮かぶ白い雲の中にいるのよ


―ふぅん


―だから、空に向かってお祈りをするの


―じゃあアタシも母様が元気でいられるようにお祈りする!


―ふふ、父様の分はお祈りしないのかしら?





――――…


「っ!!」


夜明けが近いのか、カーテンを閉め忘れた窓からはうっすら陽の光が差し込んでいる


「…はぁ…はぁ……」


陽の光は徐々に強さを増している

そんな宿の一室に、マレアは泊まっていた


「はぁ……」


軽く汗をかいた額に右腕を置き、目を閉じた


(嫌な夢)


息を落ち着かせ、マレアはベッドの上で寝返りをうった


(昔のアタシってホント馬鹿)

(神…なんて、いるはずもない存在を信じてたなんて)

(…はぁ…やだやだ、自己嫌悪)


くぁっと大口を開けてあくびをし、マレアはそのまま寝る体制をとった










(神…なんか…)


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ