物語
□酒場の話し合い
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突然、話に入ってきたのは
先刻まで奥のカウンターで煙草を吹かしていた、他ならぬミナガルデのギルドマスターだった。
ベ「――――マスター…。」
ギ「お前さんのところの情報は高額じゃが、その分、貴重なモノなのであろう?
この際出し惜しみはするまい。」
煙草をふかしながらそう言う、ギルドマスターは、
値切るのをあきらめたというより、むしろ楽しんでいるようにも聞こえた。
煉「さっすが、名高きギルドマスター。話が早くて助かるわ。」
対する煉弐も、口角を上げてニヤリと笑う。
―――――………こういう所なんか…………………。
ベ「本当、あいつにそっくりね………。」
ベッキーは軽いため息とともに呟いた。
幸いにも、その声量は小さくて聞こえなかったようだ。
―――――ギルドマスターは笑っていたが。
煉「モンスター達の大群―――。
その理由は、もう多分わかっとるやろ?」
ベ・ギ「「……………………………………。」
ベッキーとギルドマスターは、互いに軽く目配せをする。
―――そして、その考えが当たっているだろうことを確認した。
煉弐の方を見ると、
「その考えは正しい。」というように、ふっと笑った。
煉「モンスターどもは、ある物から逃げちょる。
それは気候の変化でも、ましてやティガレックスのような凶暴なモンスターでもあらへん。」
ティガレックスやディアブロスといったモンスターは、
その凶暴性と残虐性により、他のモンスターの領域をしばしば侵すことがある。
その時にもモンスターは大群で逃げたりするが、
狩場にそういったモンスターの痕跡が見当たらない。
このことから、今回のことは自然現象ではなく、極めて人為的に起きていることがわかる。
煉「あいつらが恐れてとるのは――――――【毒】や。それもかなり毒性が高い。」