物語

□酒場の話し合い
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煉「―――――…説明が終わったとこんで、何でウチを呼んだのか教えてくれへん?」


煉弐が話の折り目を見て、ベッキーに切り出した。




ベ「そうね、丁度時期的にそろそろ来ると思っていたけれど…………。」


そう言ってベッキーは、ちらりと桜桃たちを見た。


ベ「場所を変えましょうか。」

輝「いや、大丈夫だよ。私達が移動するから。」

ベ「――そう、ごめんなさいね。」



ベッキーが申し訳なさそうに言うのに対し、輝響は軽くウィンクをして応える。
そして紅と桜桃を連れて、少し遠くの空いている席に座った。







煉「――――――――――それで、
一応訊くけど用件は何や?

ウチは回りくどいのは苦手やから、手短に頼むで。」



商人らしかぬ全く飾らない態度に、ベッキーは微笑する。


ベ「――――おそらく、あなたの想像通りよ。」



此処最近、モンスターたちの様子がおかしい。


少し前に、「モンスター達の大群と遭遇した。」という報告が相次いでいた。

食べ物が無くなったりしたというのならわかるが、
同時期に各地でそれが起こっていることからしてそれは無いだろう。

モンスターはその住んでいる土地が
何らかの影響で環境が変わらない限りは、無駄に移動したりはしない。

しかも、聞くところによると
何かから逃げるように移動していた。とのことだ。




ベ「――――――そこで、もっと詳しい情報を知るためにあなたを呼んだのよ。」


ベッキーは起こっている事と、
それに対する自分の意見をなるべく手短に説明する。

説明を受けた煉弐は
クセなのか、自身の髪を指でもてあそびながら言った。


煉「――――――………用件はわかった。その情報は売れんでもないが、
この情報はあんさん等だけやのうて、他のところも欲しごうとる。

………結構、お高くつくで。」




煉弐は試すような目つきで、静かにベッキーを見つめる。







「構わんよ、それぐらいの価値はあるじゃろう?」
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