物語〜2〜

□蘇る悪夢
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扉を開けた先にまず広がったのは、
紫や黒といった、おおよそ空の色らしくない不気味な空だった。



桜「あれ?外にでちゃったよ?」

輝「シュレイド城の最上階、かな?」


最上階は天井がなく、
大きく二つのエリアに分かれていて、その境目に巨大な門が立っている。



紅「シュレイド城、というより闘技場みたいですね………。」





?「そうだ、ここはかつて神聖な騎士達の闘技場であった。」


「「「「!!」」」」



4人の視線の先には
こちらに向かって優雅に歩いてくる白衣の男の姿があった。



?「大いなるシュレイド王の名の下に、
騎士達は日々、ここで自らの力を切磋琢磨していた――――――。
”竜大戦”が起こるまでは。」


輝「お前は……?」



ネ「失礼、申し遅れたね。
私は”王立研究室第1課”に所属しているネオというものだ。」


歩みを止めたその男――――ネオは、
この場にそぐわないような形で、自己紹介をした。



滝「言うまでも無いだろうけど、
僕たちはミナガルデの”ハンターズギルド”に所属するハンターだ。

今回のミナガルデ襲撃と
あんた等がこれからやろうとしていることについて説明してくれない?
―――――…嫌でも聞き出すけど。」



それを聞いたネオは、「クック…。」と笑い出す。



輝「何がおかしい。」


微かに苛立ちの滲んだ輝響の声を聴いて、
ようやくネオは笑いを止めた。……まだ口元は笑っていたが。


ネ「失礼、気を悪くしないでくれたまえ。
そのことに関してはとっくに知られていると思っていたのでね。
―――あの裏切り者と王家のクズから。」


紅「”裏切り者”――………?」

ネ「……どうやら諸君らは知らないようだね。
鈴光(りしゃ)とかいう王の犬どもの一匹だ。」

桜「リー姉!?」



出てきた名前に、4人は少なからず動揺した。

確かに鈴光はハンターズギルドの裏切り者と言えるが、
こいつから見れば味方のはずだ。



ネ「彼女は現在、我々が捕えた王家の小娘を逃がしここに向かっている。

おそらく王の命令で、
我々の目的を探り、あわよくば阻止しようとしたのだろう……。」



明かされた新たな真実に、
3人の間には少なくとも安堵の空気がにじみ出た。

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