転生物語
□発芽
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暁のアジトの中には広間や書庫といった共有の部屋の他にメンバーそれぞれの個室が与えられている。
一応”遊び”という名目で
それぞれの部屋にいったことがあった。
それで改めて思ったのだが、個人の部屋ともなるとやっぱりその人の個性が出るのだ。
長門兄さんもといリーダーや鬼鮫の部屋はしっかり片付いていたし
小南姉さんの部屋には、それプラス鏡台や衣装ダンスがあった。鏡台に折り紙のバラが飾られていたのが印象的だったのだ。
角都の部屋は暁の財政を管理しているだけあって、個人の部屋というより事務所のような感じ。
あれはあれで個性なのかの?
角都の部屋が”事務所”なら、芸術コンビもといサソリとデイダラの部屋は”作業場”なのだ。
デイダラの部屋はそこらじゅう粘土で溢れてる。
以前、「何処で寝とるのだ?」って訊いたら
「起爆粘土作ってたらいつの間にか寝ちまってるよ、うん。」って笑いながら言っておった。
サソリの部屋は同じく傀儡の部品で埋め尽くされている。
デイダラと違うのはそれなりに整理されていて、ちゃんと寝床があることだの。
その部屋で一番興味を惹かれたのが、毒薬や医療に関する書物が置かれた棚だった。
書庫にあるものとは別の、サソリ個人の本らしい。
個人の本だけあって、書庫にあるものより随分マニアックなのだ。
思わず読みふけっておったらサソリに髪の毛を弄られてた。
弄るのは構わんが、傀儡にするのは勘弁してほしいのぅ――――――……。
そして飛段の部屋。
――――――に入ろうとしたら、リーダーに止められた。
リーダー曰く、「子供には色々な意味で刺激が強すぎる。」そうじゃ。
そういうわけで飛段の部屋には入ってはいない。
でもこの前、気になってチラッって覗いたら
何かの宗教のグッズとA○(自主規制)があったのだ。
それよりまず目に入ったのが其処らじゅうの血痕。
まるで某ホラー映画のような光景に即、扉を閉めて回れ右をした。
【大人(リーダー)の言うことは聞かねばならぬ】と改めて心に刻んだのだ。
それ以来、飛段の部屋周辺域には近づかぬようにしておる。
で、最後に
私が一番気に入っておる部屋が、現在私がいるゼツの部屋なのだ。
何故なら聞いて驚くなかれ、ゼツの部屋は【巨大家庭菜園】なのだ!!
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