泣く子もだまる親衛隊
□泣く子もおこる
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二日目。
平井新に親友とされ、
会長さまと同じ位置に立たされたおれ。
親衛隊会議室で隊長さまに報告をすれば、
「親友と言っているのは照れ隠しとかじゃないかな。実際、会長さまは新くんを大事にしているしね」
あの男が照れ隠しなんてするだろうか。でも隊長さまには逆らえないおれ。
今日も隊長さまの金色の髪の毛は、花のかおりをまき散らしている。
窓を開けてくれて、風が吹いてくれてよかったぁと思うのだ。
「聞いてる?」
「あ、はい、いいえ!」
「どっちなんだよ、もう」
「すみません、聞いてませんでした」
「もう一度言うよ。きみは引き続き新くんを護衛して。今日辺り、過激派の連中が動く気がする」
隊長さまの顔からはいつものような笑みなんかこれっぽっちもなかったけれど、真剣な横顔も美しい。
「頼んだよ」
「はい!」