泣く子もだまる親衛隊
□泣く子もわらう
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なんて、思っていたのは数日前のことで、今は親衛隊に入ってる。生徒会長さまの親衛隊。
校内一の規模をほこる親衛隊に、おれは見事、入隊を果たしてしまった。
数日の間に何があったのかといえば、
親衛隊はいまいましいものではなく、救いの天使が率いる集団だったからだ。
その日はまさかの呼び出しがあった。男からの突然の手紙。ていねいな文字で書かれたびんせんに、ひょっとしたらと気持ちが重くなる。
やはり予想は的中だった。体育館裏で人生初の恐ろしいことが起きた。
ごつい男がおれの名を呼ぶ。
「あ、はい」このときもしかしたら、おれの返事はうわずっていたかもしれない。
「あの聞いてほしいことがあるんだ」
男の顔が真っ赤に染まっていくのをぼーっと眺めるしかなかった。
あ、今、何か言うみたいだ。
唇が動く。その内容は実にシンプルだ。